
こんにちは、せせらぎ房です。飲食店に行って、何を注文するかずっと迷うことってないですかね。消費者のニーズというのは、時と場合によって変化し、なかなか捉えにくい部分もあります。
というわけで、今回は消費者のニーズをその人なりをイメージしながら考えるペルソナについてです。
この記事のポイント
- ペルソナはユーザーの個性を定義し、プロダクトやサービスの方向性を導く強力なツール
- 潜在的ユーザーの属性や心理的特徴を詳細に分析し、リアルな人物像を構築
- ビジュアルポートフォリオによって、チーム全体でユーザー理解を共有しやすく
ペルソナとは何か イノベーションを導く「人の設計図」

「ペルソナ」とは、特定のユーザー像を具体的に定義するための手法です。ただの想像ではなく、年齢や性別、職業といった属性に加え、価値観やライフスタイル、行動動機などを丁寧に組み合わせて設計します。これにより、ターゲットユーザーに対する深い理解が生まれ、商品開発やサービス設計における方向性が明確になります。
実際、イノベーションを目指すプロジェクトでは、必要に合わせてペルソナによる製品・サービス設計が取り入れられています。
ペルソナ構築のステップ

実際似ペルソナを構築するステップの例を順番に見ていきましょう。
ステップ1:潜在的ユーザーのリストをつくる
ペルソナ作成の第一歩は、「誰が自社のサービスに興味を持ちうるのか?」を広い視点で考えることです。たとえば、あるオンライン学習プラットフォームの場合、以下のような潜在的ユーザーが考えられます。
- 高校生や大学生:受験や就職の準備を目的とした学習
- キャリアチェンジを考える社会人:スキルアップを通じた転職を目指す
- 趣味で学びたいシニア層:退職後の時間を有意義に使いたい
このように幅広くリストアップすることで、より多様なユーザーニーズを捉えます。
ステップ2:属性と心理的特徴を整理する
次に行うのは、ユーザーの詳細な特徴の洗い出しです。基本的な属性(年齢、性別、職業)に加え、以下のような心理的・行動的特徴も加味します。
属性の例 | 年齢:18〜25歳 性別:男女問わず 職業:学生、会社員、フリーランス |
心理的特徴の例 | 好奇心旺盛で新しい知識を探している キャリアへの不安を抱えている 自己実現への意識が高い |
行動基準の例 | 動機:収入アップやスキルアップ 知識:初心者から専門家レベルまで 感情:挑戦意欲があるが挫折しやすい |
このような情報は、実際のインタビュー調査やメディア、SNS情報などの行動分析から行います。

インタビューや行動分析はそれなりの工数も必要ですが、簡易にペルソナ構築の体験するには、身近な人で属性に近い人を思い浮かべて、その人ならどのようん考えるか、どのように行動するかを考えてみることです。
ステップ3:ユーザータイプを決定する
ユーザーを分類することで、より具体的なペルソナ作成が可能になります。一般的には3〜5つのタイプに分類するのが現実的です。
例:オンライン学習サービスのユーザータイプ
- キャリア志向の若年層
22歳の大学生。就職活動に向けてプログラミングスキルを学習中。 - 転職を目指す社会人
30歳の営業マン。独学でマーケティングを学び、転職を検討している。 - 趣味を追求するシニア層
60歳の退職者。時間を活用して写真編集を楽しみたい。
こうした分類は、マーケティング戦略やUI/UX設計の根拠にもなります。
ステップ4:具体的なペルソナを作成する
分類したユーザータイプをもとに、リアルな人物像としてのペルソナを作成します。名前や生活背景を与えることで、よりチーム内での共有がしやすくなります。具体例を考えてみましょう。
ペルソナ例1:ジュン(28歳・銀行員・アート好き)
- 属性:28歳、女性、金融業界で働く
- 心理的特徴:日々の業務に飽き、創造性を求めている
- 行動基準:休日は美術館巡り、SNSでアート系コンテンツを発信
- 動機:趣味を通じて人生の満足度を高めたい
ペルソナ例2:タロウ(35歳・エンジニア・副業志向)
- 属性:35歳、男性、IT企業勤務
- 心理的特徴:現職に満足しつつ、収入源の多角化を考えている
- 行動基準:夜間にオンラインで副業スキルを習得中
- 動機:家族の生活を安定させたいという思い
ステップ5:ビジュアルポートフォリオの作成
最後に、ペルソナを視覚的に表現する「ビジュアルポートフォリオ」を作成します。これはチーム全員が共通のユーザー理解を持つための有効なツールです。
ジュンのポートフォリオ
・よく訪れるアートギャラリーの写真
・自作のスケッチ作品
・アートに関わるSNS投稿
タロウのポートフォリオ
・利用している学習アプリの画面
・家族との時間を象徴する写真
・副業をしているイメージ

ビジュアルポートフォリオを生成AIに作成してもらいました。ペルソナ構築において、生成AIを量することはとても有効ですね。具体的な絵にするとペルソナのイメージを持ちやすいのではないでしょうか。




まとめ
ペルソナの設計は、プロダクトやサービスの成功に直結する重要なプロセスです。潜在的ユーザーをリストアップし、詳細な属性や心理的特徴を分析し、具体的なペルソナとして組み立てることで、チーム全体がターゲット像を共有できるようになります。
さらに、ビジュアルポートフォリオによってペルソナが生きた存在として捉えられるため、意思決定やクリエイティブな作業も格段にスムーズになります。ペルソナは単なるマーケティングの手法ではなく、「人を中心にしたデザイン」を実現するための武器になります。