原因、構造、類似性:問題解決のための分析手法

ビジネスフレームワーク
せせらぎ房
せせらぎ房

こんにちは、せせらぎ房です。なじみの飲食店を作りたいのですが、つい別の店に行ってしまいます・・・・ところで、

今回は分析の視点です。物事を分析する時に何に注目するべきか、大まかな考え方を説明したいと思います。

この記事のポイント

  • 分析には「原因と結果」「構造」「類似性」という3つの観点が有効である。
  • それぞれの観点を活用することで、事象の本質を効率的に理解できる。
  • 分析の結果を要約し、結論を明確にすることが最終的な目的である。

原因と結果を分ける:時間とプロセスに注目

分析を進める上で、まず「原因」と「結果」を明確に分けることが重要です。これには以下の切り口が有効です。

時間経過を軸にする

物事の因果関係を理解するためには、時間の流れに沿って事象を整理することが役立ちます。例えば、プロジェクトが失敗した場合、どの時点で問題が発生したのかを特定することで、原因と結果の連鎖を見出せます。

プロセスの順序を考える

プロセスの順序を追うことで、原因がどのように結果に繋がったかを理解しやすくなります。具体的には、事象を段階的に分解して「このステップが結果にどう影響したか」を確認します。

構造を把握する:情報を整理するフレームワーク

次に、事象を「構造」という観点から分析します。これにより、情報の全体像を捉えることが可能になります。以下のフレームワークが役立ちます。

ピラミッド構造

ピラミッド構造では、情報を「結論」から「具体的な事実」へと分解します。これにより、主張と根拠が明確になり、伝達がスムーズになります。

マトリクス構造

マトリクス構造を用いると、複数の要因を軸にして情報を整理できます。例えば、「コスト」と「効果」を軸にしてプロジェクトの評価を行うことが考えられます。

MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)

MECEは、情報を「漏れなく、重複なく」分けるための切り口です。これを意識することで、分析の網羅性と効率性を高めることができます。

せせらぎ房
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MECEっていうのは、「モレなく、ダブりなく」って考えるためのフレームワークのこと。例えば、何かを整理するときに、「抜け」があったり、「同じものが重複」してたりすると、話がごちゃごちゃになってしまいます。そんなときに役立つのがMECEです。
MECEには年齢など確実に「モレなく、ダブりなく」に分けられるものと、製品や技術分類など、確実ではなく関連する人たちが納得する蓋然性が重視されるもの、があります。

MECEの具体例
1. 市場分析(競合分析)

ケース: ある企業が新規市場に参入する際、競合を分類するとき
MECEの分け方:

  • 価格帯別: 高価格帯 / 中価格帯 / 低価格帯
  • 製品カテゴリー別: 高機能型 / コスト重視型 / デザイン特化型
  • 販売チャネル別: オンライン専業 / 実店舗 / ハイブリッド

これらの「価格帯別」と「販売チャネル別」を混ぜると重複が生じ、MECEではなくなります。

2. 業務改善(特許調査の効率化)

ケース: 特許調査業務のプロセスを改善する
MECEの分け方:

  • 調査フェーズ別: 先行技術調査 / 無効資料調査 / 侵害予防調査
  • 作業プロセス別: 検索式作成 / データ収集 / 分析・レポート作成

例えば、「調査フェーズ」と「作業プロセス」を混ぜて分類すると、同じ業務が複数のカテゴリにまたがるため、MECEの原則に反します。

3. 事業戦略(顧客セグメント)

ケース: 企業が顧客ターゲットを明確にする
MECEの分け方:

  • 企業向け(B2B): 大企業 / 中小企業 / スタートアップ
  • 個人向け(B2C): 若年層 / ミドル層 / シニア層

この分類なら、顧客層にモレや重複がなく、MECEの原則に従っています。一方、「年齢層」と「業界別」など異なる基準を混ぜると、同じ顧客が複数のカテゴリに該当し、MECEでなくなります。

類似性を把握する:共通点と違いを分析

最後に、「類似性」に着目して事象を分ける方法について考えます。これは特に、選択肢の比較や優先順位付けに有効です。

重要度を見る

類似性を分析する際、事象の重要度に基づいて分類すると、優先順位を明確にできます。例えば、顧客満足度の向上に寄与する施策を特定する場合、影響が大きいものから順に分類するのが効果的です。

その他の特性を把握する

重要度以外の共通点を見つけることも有益です。例えば、同じ地域で発生した問題や、同様の背景を持つ出来事をグループ化することで、より深い洞察が得られます。

分析結果の要約と結論

分析の最終的な目的は、得られた情報を要約して結論を導き出すことです。
それぞれの事象が結論にどう関与しているのかを明確にし、全体像を簡潔に伝えるスキルが求められます。このステップがなければ、分析の成果を正確に共有することは困難です。
要約を行う際には以下のポイントを意識しましょう

  • 主要なポイントを簡潔にまとめる。
  • 聞き手のニーズを考慮する。
  • 分析のプロセスと結論の関係を明確にする

まとめ

事象を効果的に分析するためには、「原因と結果」「構造」「類似性」という3つの観点を活用することが重要です。そして、これらの観点をもとに分析した内容を簡潔に要約し、明確な結論を導き出すことで、情報の価値を最大化できます。これらの手法を実践することで、問題解決や意思決定の質が向上するでしょう。

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