
こんにちはせせらぎ房です。AIDOMAは使い尽くされたフレームワークで、最近では違う形のAISASなんてのも言われているようです。ただ、消費者の購買行動を5つの段階で捉える強力なマーケティングフレームワークであることは確かで、個人的に思考を巡らすのにも役に立ちます。
この記事のポイント
- AIDOMAは消費者の購買行動を5段階に分けて理解するマーケティングフレームワークです。
- 各フェーズでの効果的なアプローチにより、消費者の関心を高め、購買につなげる戦略が立てられます。
- 新製品であるコーヒーメーカーを題材に、AIDOMAの各フェーズでの具体的なマーケティング手法を解説します。
AIDOMAフレームワークとは?

AIDOMAは、商品が消費者に購入されるまでの心理的プロセスを以下の5つの段階に分けて示すマーケティングフレームワークです。
Attention(気づく): 商品や広告に消費者が「気づく」段階です。視覚的なインパクトや印象的なメッセージで注目を集めることが重要になります。
Interest(興味を持つ): 商品に対して「興味を持つ」段階です。機能や利便性を具体的に提示し、「もっと知りたい」という気持ちを喚起します。
Desire(欲しいと思う): 消費者が商品を「欲しいと思う」段階です。感情に訴えかけ、所有したいという強い欲求を引き出すアプローチが求められます。
Memory(覚えておく): 商品を「覚えておく」段階です。競合との差別化を図り、消費者の記憶に定着させるための工夫が必要です。
Action(買う): 実際に「購入行動を起こす」段階です。購入へのハードルを下げ、スムーズな購買体験を提供することが重要になります。
各フェーズの事例

Attention(気づく)
まずは、消費者に商品の存在を認識させることが最優先です。視覚的なインパクトや記憶に残るキャッチコピーで、強い注目を集めることが鍵となります。
- 主要な交差点に「1分でプロの味」というキャッチコピーを配した大型デジタルサイネージを設置し、通勤・通学者にアピール。
- TikTokやInstagramなどのSNSで、アニメーションを多用した15秒以内の短尺動画広告を展開し、視覚的に惹きつける。
Interest(興味を持つ)
消費者が「もっと知りたい」と感じるような、商品の機能性や利便性に関する情報を提供し、興味を深めます。
- コーヒー豆の挽きから抽出までを全自動で行う独自の機能を、分かりやすい操作デモンストレーション動画で紹介する。
- 公式ウェブサイト内に専用のランディングページを設け、コーヒーメーカーの細かな仕様、メンテナンス方法、そして実際のユーザーレビューを豊富に掲載する。
Desire(欲しいと思う)
感情に訴えかけ、「この商品を所有したい」と強く思わせることが目的です。特別感や具体的なメリットを提示し、購買意欲を刺激します。
- 「自宅で過ごす時間が、まるで洗練されたカフェに変わる」といった、商品の導入で得られる豊かなライフスタイルを訴求する。
- 初回購入者限定で、有名バリスタが厳選した希少な高級コーヒー豆を無料でプレゼントし、お得感と特別感を演出する。
Memory(覚えておく)
競合商品との差別化を図り、消費者の記憶に定着させることが重要です。繰り返し接触する機会を設け、ブランドイメージを強化します。
- ブランドロゴやパッケージデザイン、広告素材全体に一貫性のあるミニマルなデザインを採用し、洗練された印象を定着させる。
- 有名グルメブロガーやインフルエンサーに製品を提供し、使用感や魅力を定期的にSNSで発信してもらうことで、消費者との接点を維持する。
Action(買う)
消費者が実際に購入に至るまでのプロセスを可能な限り簡便にし、購入を後押しするための特典などを提供します。
- 自社のECサイトに「ワンクリック購入」機能を導入し、購入手続きにかかる手間を最小限に抑える。
- 新発売記念として、期間限定の割引キャンペーンや、購入者全員へのオリジナルマグカッププレゼントなど、購入を促すインセンティブを提供する。
具体的な事例:新しいコーヒーメーカーのマーケティング戦略

ある家電メーカーが新開発の高機能コーヒーメーカーを市場に投入するにあたり、AIDOMAフレームワークに基づいた綿密なマーケティング戦略を採用したと仮定します。
- Attention: 渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンで「毎朝1分、幸せな時間を。」という印象的なメッセージを配信し、多くの人の目に触れる機会を創出。
- Interest: 業界初の「AI自動温度調整機能」を搭載している点を、専門家による解説動画や、実際にコーヒーを淹れる様子を映したライブ配信で具体的に紹介。
- Desire: 購入者からの「自宅で本格的なカフェ体験ができる」「毎朝のコーヒーが楽しみになった」といったレビューを積極的に活用し、消費者の「欲しい」という気持ちを喚起。
- Memory: 毎月異なるテーマでSNSキャンペーンやオンラインイベントを開催し、ブランドとの継続的な接点を創出し、記憶への定着を図る
- Action: 公式オンラインストアでの購入手続きを徹底的に簡素化し、さらに購入金額に応じたポイントプログラムや、次回購入時に使えるクーポンを提供してリピート購入を促す。
まとめ
AIDOMAフレームワークは、消費者の心理を段階的に深く理解し、それに応じた適切なマーケティング施策を戦略的に講じる上で非常に有効です。
- AttentionからDesire: 消費者の商品への関心度を高め、最終的な購買意欲を醸成するための工夫が求められます。ここでいかに消費者の心に響くアプローチができるかが、その後の成果を大きく左右します。
- MemoryとAction: 商品を消費者の記憶にしっかりと残し、そして実際に購入へとスムーズに導くための環境を整えることが、売上に直結する重要な要素となります。