
情報が過多とも言える近年では、ブランド名に関わるイメージはとても大切ですよね。ということで、今回はブランディングを考える際に重要な切り口を整理したフレームワークです。
この記事のポイント
- 顧客に響くブランドを構築するためには、ブランドの個性や価値観を明確にすることが重要
- ターゲット顧客のニーズや特徴を理解し、それに応じた一貫したブランディング戦略を実施する必要あり
- ブランドと顧客との関係を深め、記憶に残る体験を提供することが成功の鍵
ブランディングの基盤

ブランドの個性を定義する
ブランドの個性とは、そのブランドを他と区別する特徴やイメージのことです。たとえば、Appleは「シンプルで洗練されたデザイン」、Nikeは「挑戦する精神」を象徴しています。この個性を明確にすることが、顧客に強い印象を与える第一歩です。
質問に答えることでブランドの個性を明確にします。
- 何を提供しているのか?(商品やサービスの特徴)
- そのブランドが持つストーリーや背景は何か?
- 顧客にどのような感情を引き起こしたいのか?
ブランドの価値を明確にする
ブランドの価値観は、顧客との信頼関係を築く要素です。たとえば、環境問題に取り組むブランドは「サステナビリティ」を掲げることで、環境意識の高い顧客を惹きつけます。
「サステナブルなアプローチを採用し、パッケージを完全に再利用可能にした飲料メーカー」のような具体的な行動は、顧客にとって記憶に残るメッセージとなります。
ターゲット顧客を理解する

顧客の特徴を明確にする
ブランディングの成功には、顧客を深く理解することが不可欠です。ターゲット顧客の年齢、性別、職業、ライフスタイル、価値観などの特徴を詳細に分析します。
ターゲットに向けたブランドの拡張としては、若年層では、SNSでの発信やインフルエンサーとのコラボレーションなどを行いやすいブランドのメッセージや形がありえます。また、ビジネスパーソンを対象にしたブランドでは、LinkedInや業界専門誌を活用したコミュニケーションに効果的なブラディングを行います。
顧客の視点を理解する
顧客が何を求めているのかを理解し、それに応えることが重要になります。たとえば、カフェチェーンのブランディングでは、コーヒーの提供だけでなく何を求めているのかを考えます。スターバックスではコーヒーなどの飲料の提供とともに「第三の場所(家でも職場でもない快適な空間)」を提供することに注力し、店舗設計や商品提供のプロセスなどを工夫しています。このように、顧客の視点からブランドを設計することが、顧客の注目や関心を集めることができます。
ブランド体験を作り出す

記憶に残る体験価値
顧客がブランドに対して抱く印象や体験は、そのブランドの成功を大きく左右します。たとえば、無印良品は「シンプルで機能的なデザイン」という価値を提供し、これに共感する顧客を惹きつけています。
ブランド体験を強化するには、次のようなアプローチがあります:
- 顧客参加型イベント:スポーツブランドが主催するランニングイベントなど。
- パーソナライズ化:ECサイトが顧客の購入履歴に基づいて商品をおすすめする仕組みなど。
顧客との関係性を深める
顧客との長期的な関係を築くことも重要です。これには、ソーシャルメディアを活用して顧客との対話を促進したり、ロイヤリティプログラムを導入してリピーターを増やする方法があります。
たとえば、「スタンプを集めて特典を獲得できるアプリ」を提供することで、顧客にリピート購入を促すことができます。
ブランディングフレームワーク

ブランディングにおける観点を、企業・顧客・機能・感性の4方向からまとめたものが、「ブランディングフレームワーク」です。ブランディングフレームワークは、以下の6つの要素を提供します
ブランディングの方針 | 企業がブランドをどのように活用するか |
ブランド提供者との関係 | ブランドを提供する企業がそのブランドとどのような関係にあるか。コーポレートブランド、事業、製品、その他に関わるなど |
ブランドが達成すること | ブランドが企業と顧客の関係をどのように醸成するのか、何を達成するのか |
ブランドが持つ個性 | 同様の企業・製品と比較して、当社のブランドはどのような個性を持っているか |
ブランドのターゲットとする人の特徴 | ブランドはどのようなターゲット層の特徴を持っているか。製品・サービスにどのように関わりを持って欲しいのか |
ブランドが提供する価値観 | 顧客はブランドからどのような価値を感じるか |
フレームワークの具体例:カフェブランド

ブランドフレームワークを使った具体例を考えてみましょう。カフェチェーンαのブランディングついて、分析した例です。

ブランドフレームワークの検討から以下のような方針が導かれます。方針をフレームワークに照らし合わせお互いが相乗効果の中で、より洗練されていくことを目指します。
- 店舗デザインとして温かみのある店舗デザイン
- フレンドリーな接客に関わる従業員教育
- サプライヤーも含めた信頼関係の構築
- 仕事の合間にカフェで一休みする社会人をイメージ
- 個別対応をしていると感じられるカスタマイズメニュー
まとめ
想起をうながすブランディングを実現するためには、ブランドの個性や価値観を明確にし、ターゲット顧客のニーズを深く理解することが重要です。さらに、顧客がブランドとの関係を築きやすい記憶に残る体験を提供することで、競争の激しい市場の中で顧客の心に強く残るブランドを構築します。