SCAMPER法の「SCAMPER法の「Reverse(逆転)」を活用したアイデア発想術

アイデア創発
せせらぎ房
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こんにちは、せせらぎ房です。物事には順序というものがありますが、それを逆に考えてみたら、新しい視点が発見できるかもしれません・・・・ということで、

今回はSCAMPERにおける「Reverse(逆転)」を詳しく掘り下げてみます。

この記事のポイント

  • SCAMPER法の「Reverse(逆転)」を使って新しいアイデアを生み出す方法を解説
  • 具体的な10の視点をもとに、革新的な発想例を紹介
  • 逆転の視点を取り入れることで、ビジネスや日常の課題解決につなげる

SCAMPER法の解説はこちら

SCAMPER法の「Reverse(逆転)」とは?

せせらぎ房
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「新しいアイデアを生み出したい」「製品やサービスを革新したい」と考えているとき、行き詰まってしまうことはありませんか?
そんなときに役立つのが、アイデア発想法の一つであるSCAMPER法です。

SCAMPER法は、創造的なアイデアを生み出すためのフレームワークの一つです。SCAMPERは以下の7つの視点から構成されています。

  • Substitute(代替する)
  • Combine(結合する)
  • Adapt(適応させる)
  • Modify(修正する)
  • Put to another use(他への転用)
  • Eliminate(削除する)
  • Reverse(逆転する)

今回はこの中から「Reverse(逆転)」に焦点を当て、逆転の視点から新しいアイデアを生み出す方法を詳しく解説します。「逆にしたらどうなるか?」という問いを立てることで、これまでにないユニークな解決策やビジネスモデルが生まれる可能性があります。

SCAMPER法の「Reverse(逆転)」とは?

せせらぎ房
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「Reverse(逆転)」の例として、逆オークションがあります

逆オークション」は、「通常のオークション(入札者が高値を提示して競り上げる)」の逆を行う仕組みです。つまり、買い手が「これをこの値段で買いたい」と提示し、売り手が「その条件で売ります」と応じることで取引が成立する形になります。

これをSCAMPERの「Reverse(リバース)」として見ると、通常のオークション(価格を競り上げる)を逆転して、価格を下げて競争することで新たな仕組みを作った、ということになります。

「Reverse(リバース)」の10の視点

せせらぎ房
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「逆転する」ことで発想を広げるための10の視点を紹介します。これを活用することで、アイデアの幅が大きく広がります。

1.役割を逆にする

製品やサービスの提供者と利用者の役割を逆にすることで、思いがけない新しい形が見えてくることがあります。

例:

  • 料理教室で、講師が生徒になる。自らが考える機会を与える
  • 利用者が自らサービスを提供する(Airbnbのようなシェアリングエコノミー)

役割を入れ替えることで、従来のビジネスモデルを変える機会になります。

2.順番を逆にする

物事の手順やプロセスを逆にすることで、新たな体験や利便性を生み出すことができます。

例:

  • 製品を使った後に支払う「後払い」モデルを「前払い」に変更
  • 物を買う前に試せる「無料トライアル」の逆で、まず購入して満足できなかったら返金する

プロセスを逆にすることで、顧客のリスクを減らし、安心感を与えます。

3.位置や配置を逆にする

位置や配置を逆にすることで、製品やサービスの使いやすさや新しい機能を引き出せます。

例:

  • レストランのメニューを「人気順」から「人気はない順」に並べる
  • 自動販売機のボタンを上部ではなく下部に配置

配置を変えることで、ユーザーの行動や選択が変わることがあります。

4.因果関係を逆にする

「結果」と「原因」を逆にすると、新たな体験を生み出せる可能性があります。

例:

  • 商品を選ぶのではなく、AIが顧客の好みを判断して自動で商品を提案
  • 「飲食店に入ってからメニューを選ぶのではなく」ではなく、「メニューを選んでから飲食店に入る」。飲食店が連携したメニューの提供

因果関係を逆転させることで、予測型サービスやパーソナライズが可能になります。

5.役割・関係性を逆にする

提供者と受益者の関係を逆転させることで、これまでにないサービスが生まれます。

例:

  • 顧客が料理人に作って欲しい料理を伝える
  • 企業が消費者にアドバイスを求めて商品開発を行う

ユーザーとの双方向の関係を築くことが可能になります。

6.使用方法を逆にする

通常とは異なる使い方を考えることで、新しい価値を創出できます。

例:

  • 扇風機に温風機のをつけて暖房器具でも使えるようにする
  • 目覚まし時計に、安眠を促す環境音を流せるようにする

→ 使い方を逆転することで、従来にはない利便性を提供します。

7.目標やゴールを逆にする

目標やゴールを逆に設定することで、新たな戦略が生まれる可能性があります。

例:

  • 「売上を最大化する」から「損失を最小化する」へシフト
  • 「市場シェアを拡大する」ではなく「特定の顧客層への満足度を上げる」

ゴールを逆にすることで、ビジネス戦略が大きく変わることがあります。

8.顧客との接点を逆にする

デザインやUIをシンプルにして、コストや使いやすさを向上させます。

例:

  • 家具の装飾を減らしてシンプルなデザインに
  • パッケージの印刷色数を減らす
  • スマートフォンケースの模様をなくしてミニマルデザインに

効果:

  • 製造コスト削減
  • デザインをシンプルなモダンデザインに変える

9.顧客との接点を逆にする

製品の基本機能を逆転させることで、新たな活用法を生み出せます。

例:

  • 美容院が顧客の自宅に訪問してカットやスタイリングを行う
  • 家電メーカーが製品の使用状況をモニタリングし、不具合を検知したら事前に顧客に連絡して修理対応を提案

機能を逆転させることで、新たな顧客層を開拓します。

10.成果を逆にする

成果の形を逆転させることで、新たな収益モデルを作ることができます。

例:

  • 顧客がセルフで部品を組み立てられる「DIY家具キット」を販売
  • ストランが席数を減らし、1人あたりの単価を上げる「完全予約制」に変更

結果を逆転させることで、持続可能なビジネスモデルを構築します。

具体的な事例

せせらぎ房
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製品・サービスの具体的な例を示します。Reverse(リバース)は、「常識や固定観念」を疑い、逆の視点から考えることでイノベーションが生まれる可能性があります。いろいろなアイデアがありますが、発想の起点として用いながら、新しいアイデアを考えてみてください。

逆転する製品・サービス内容
スターバックス モバイルオーダー&ペイ通常は「注文→支払い→受け取り」だが、
「支払い→注文→受け取り」に逆転
アプリで事前に注文・支払いが完了しているため、店舗に到着したら並ばずに商品を受け取ることが可能
Uber(タクシー業界の逆転モデル)通常は「タクシーを探す→タクシーに乗る→目的地に到着→支払い」だが、「タクシーが顧客を探す」に逆転
アプリで事前に料金が決定し、目的地に到着した時点で自動決済
カフェの「コーヒーを飲む」から「自分で淹れる」通常はコーヒーは店員が淹れるが、自分で豆を選び、自分で淹れる体験型のカフェを提供。
Amazon Goの「買い物→支払い」から「持ち帰り→自動支払い」通常は商品を選んでから支払いだが、Amazon Goでは持ち帰るだけで自動的に支払いされる。
自動販売機(スマホ連携型)現金を入れてから商品購入から、商品を選択して、スマホで支払いを行う
スーパーマーケットのカート自動決済通常、買い物カゴに入れてから、レジで商品の認識と決済だが、スマートカートで商品の認識を先に行い、自動決済をする。

まとめ

SCAMPER法の「Reverse(逆転)」を活用し、「逆にしたらどうなるか?」という問いを常に持つことで、ビジネスモデルの改革や課題解決に役立つでしょう。これまでの常識を疑い、逆転の視点を取り入れることで、イノベーションを実現できる可能性が高まります。

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