こんにちは、せせらぎ房です。仕事においては文書やプレゼンなどストーリーを作成することが多いと思います。ただ、説得力のあるストーリーというのはなかなか難しいですよね。自分でしっかりストーリーだと思っていても、独りよがりだったり冗長だったり、悩ましいものです
今回は、ストーリーの説得力を増すためのコツについて考えてみました。
この記事のポイント
- 説得力のあるストーリーは、明確な状況把握と本質的な「問い」の設定から始まります。
- 問いを共有し、その解決方法を伝えることで、伝えられる側の共感と納得感を醸成します。
- 解決策は具体的であり実行できるレベルで検討をします
説得力のあるストーリーを作成するには
説得力のあるストーリーを作成するには、伝えたれた側の心に響く流れを構築することが不可欠です。そのためには、現状を明確に認識すること、そこから導き出される本質的な「問い」の設定が重要となります。説得力のある流れとして「問題解決型のストーリー」を組み立てることを考えてみます。
1.伝えられる側と「共通認識」を築く：状況説明
説得力のあるストーリー作成は、伝えられる側との間に共通の土台を築く「状況説明」です。これは、ストーリーが語る背景や文脈を理解してもらうための重要なプロセスとなります。例えば、社内プレゼンテーションの冒頭で、以下のように現状を共有することを考えてみます。
例：職場でのプレゼンテーション
「現在、当社の売上は前年比で10%減少しており、厳しい状況にあります。一方で、競合他社は積極的に新しい戦略を展開し、着実に市場シェアを拡大しています。」
最初に、客観的なデータを示すことで具体的な状況を伝え、聞き手（上司や同僚）は「なぜ今この話を聞く必要があるのか」を理解し、問題意識を最初に共有することができます。
ポイント
・客観的な事実やデータを用いて、状況を短く、具体的に示す
・伝えられる川の立場になり、理解しやすい、共感を得られやすい言葉を選択する
現状の共有ができたら、現状から考え得られる問題を定義し、全員が向かう方向性を示します。問題の明確化です。
2.解決すべき核心を見抜く：問題の明確化
次に、共有された状況の中で、私たちが取り組むべき核心的な問題を明確にします。ここでは、「一体何が問題なのか」「このまま放置するとどのような影響が出るのか」を具体的に伝えることが重要です。
例：問題の特定
「売上減少の主な要因として、競合他社が積極的に導入している最新のマーケティング手法を、当社が十分に活用できていない可能性が高いと考えられます。しかし、現状ではその仮説を裏付けるための詳細なデータが不足しており、具体的な対策を立てることが難しい状況です。」
このように、現状分析から見えてくる具体的な問題を提示することで、伝えられる側は問題をより深く理解し、自分事として捉えやすくなります。「競合他社のマーケティング戦略」や「データ不足」といった具体的な要素を示すことが、問題のリアリティを高める鍵となります。
ポイント
・問題を具体的かつ明確に特定し、放置した場合の緊急性や影響を示唆しましょう。
・「この問題を解決しなければならない」と感じる、危機感や必要性を喚起する課題を設定します。
3.思考を深め、議論を方向づける：「問い」の設定
ここで、提示された問題に対する解決策を探るための「問い」を設定します。この「問い」は、ストーリー全体の羅針盤となり、議論の方向性を示す重要な役割を果たします。
例：「問い」の設定
「競合他社の成功しているマーケティング手法を詳細に分析し、それらの知見を当社のマーケティング戦略に効果的に取り入れるための具体的な方法は何でしょうか？」
この問いを立てることで、目的が単なる現状報告ではなく、「具体的な解決策の探求」にあることが明確になります。伝えられた側はこの問いに対する答えを知りたいという動機付けがなされ、ストーリーへの関心が高まります。
ポイント
・「問い」は簡潔かつ具体的に、焦点を絞ります。
・伝えられた側が「その答えを知りたい」と思えるような、魅力的な問いを設定することが重要です。
4.具体的な行動を示す：解決策のサマリー提示
最後に、設定した「問い」に対する具体的な解決策を提示します。この部分は、伝えられた側に対して具体的な行動指針や今後の方向性を示す、最も重要なステップと言えるでしょう。
例：解決策の提案
「上記の問いに対し、私たちは以下の2つのステップで具体的な解決を図ることを提案します。第一に、競合他社のSNS戦略、コンテンツマーケティング、顧客エンゲージメント戦略について徹底的な調査を実施し、成功要因を特定します。第二に、その分析結果に基づき、当社のターゲット層に合わせたSNS広告の予算配分を見直し、外部のマーケティングコンサルタントの知見も活用しながら、より効果的なデジタルキャンペーンを設計・実行します。」
このように、具体的で実行可能な解決策を示すことで、伝えられた側は「何をすべきか」が明確になり、行動に移しやすくなります。サマリーでは、伝えられる側が「これなら実現できそうだ」というポジティブなイメージを持てるように、具体的なステップや期待される効果を伝えることが重要です。
ポイント
解決策は具体的であり、実現可能性が高いものである必要があります。
「効果がありそうだ」と感じられるような、納得感のある提案が望ましいです。
具体的な数値、人員、スケジュールなどが含まれると良いでしょう。
まとめ
説得力のあるストーリーを作成するためには、「状況説明」「問題の特定」「問いの設定」「解決策の提示」という一連のフレームワークを意識的に活用することが非常に有効です。この流れに沿ってストーリーを構成することで、情報は単なる羅列ではなく、行動を促す力強いメッセージへとなります。
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